自分らしく

一陽来復

大切な年中行事の一つ

1月吉例行事の一つとして個人的に挙げるのは、東京都新宿区西早稲田の穴八幡宮で授与される「一陽来復」の御守を求めに行くこと。母校が目と鼻の先にある立地からか、過ぎ去った学生気分を味わうと同時に変わりゆく街の姿に目を見張る日でもあります。この御守、その年の恵方に向け決められた日時に壁か柱に貼らなければならず、「金銀融通の御守」と謳われています。御守を貼る日時は、冬至、大晦日、節分の日が終わり翌日に変わる深夜0時と決められています。毎年、眠気と戦いながらその時を待つのはなかなかの苦行。

広辞苑で「一陽来復」を調べると

①陰がきわまって陽がかえってくること。陰暦11月また冬至の称。
②冬が去り、春がくること。
③悪いことばかりあったのが、ようやく回復して善い方に向いてくること。

なんと、ちゃんとその言葉自体に意味が三つもあるではないですか! しかも、金銀融通に関連する単語は見当たりません。何が転じてこの御守の意味になったのでしょう?

ただ、広辞苑で挙げられている「冬が去り、春がくること」は、この漢字から受ける印象ととてもマッチしているように思います。

行列の先にあるもの

時期にもよりますが、特に節分前の週末は善男善女が長い行列をつくります。穴八幡宮は行列対応のため、ディズニーランドで体験するようなロープを境内に巡らします。

そして、私は授与された御守に金銀融通とは異なる意味を勝手にもたせてしまうのです(想いは内緒)。もちろん、しきたりは守りながら。

サポーター

田上ハル
田上ハル
東京都出身。
留学支援と日本語教育の両分野で活躍。留学分野では高校生の交換留学業界で25年以上、派遣と受け入れの業務を遂行。現在は、週4日、留学関係の仕事に従事。2017年に日本語教師資格を取得。日本語学校の他、地域のボランティアとしても日本語を教える。
1998年、父が膵臓癌で他界。趣味は仏像やJAZZの鑑賞、SMAP、美術館・博物館巡り。パワーの源は、美味しいお酒を飲むこと。

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