自分らしく

生活雑器に花を生ける

数年前、山梨にある友人の別荘に遊びに行ったときのこと。友人が種を蒔き、見事に咲かせたヒマワリやマリーゴールドの花畑に感心していると、「好きなだけ摘んでいいよ」と勧めてくれました。それで、勢いよく伸びるヒマワリを数本と、オレンジ系のマリーゴールドを沢山摘ませてもらい、その別荘にあったあり合わせのサラダボールのようなガラスの器に生けました。

ヒマワリを生ける

吸水スポンジや剣山などの花止めはありませんが、そこは工夫。最初にマリーゴールドを茎がらせん状に絡むように入れていき、そこにひまわりを差し込みます。ひまわりは顔が大きく重いので、思い切って短く切ります。つるつるしたガラスの器でしたが、安定よく生けることができました。生活雑器を利用して花あしらいをするのもいいですね。

友人は花畑からミントを摘んで、ハーブティーを煎れてくれました。木立のなかで自然と会話する「至福の時」を演出できました。

旅先で花を生ける

私は、旅先でも花を生けます。現地で見つけた気に入ったティーポットなどに、花屋さんで選んだ花を生けます。口径の広い器でしたら、大きな顔のダリアや紫陽花があると安定よく止まります。

その間に小花や葉物を挿すと、まとまります。ホテルの窓辺に置いて、持参のスカーフやアクセサリーを添えれば、絵葉書のような思い出の写真となりますよ。

サポーター

落合邦子
落合邦子
フラワーデザイナー。
「女性が一生続けられる仕事は?」と思い、6年間の会社勤めを辞めて花の仕事を始動。フラワースクール、ウェディングブーケ、空間装飾の業務を続けるなか、介護が必要となった両親やがん治療中の家族などを通して花や植物のもつ力に注目。また、天然香料のアロマフレグランスの調合も実践。

有限会社アトリエオルタンシア 代表取締役
2014年 パリにて個展開催
2017年 パリの美術展Salon des beaux arts の招待作家として出展し、審査員特別賞を受賞

プロフィール