乳がん生活:患者力:頼れるプロ

〈術後運動〉適度な運動で免疫力アップ

東洋医学の考え方

コロナウイルスが世間を騒がせていますね。まとめ買いや転売、マスクの常備など未経験な状況に混乱している方も多いのではないでしょうか?

私の職業である鍼灸師では東洋医学で身体の不調を診るのですが、過度な心配(思い)は脾を弱らせ、感情の五情は臓器である五臓「肝、心、脾、肺、腎」とそれぞれ結びついていると考えられています。「人の感情は怒り、喜び、思い、悲しみ(憂い)、恐れという5つのバランスで成り立っていて、そのうち一つが欠けたり、過剰になるとバランスを崩して不調の原因になりますよ」という考えです。脾=思いが過ぎると脾の機能に支障をきたし身体のだるさ、水分代謝、消化能力の低下といった症状も現れてきます。

少し怪しい感じもしますが、怒りはアドレナリン、喜びはドーパミン、思いはノルアドレナリン、悲しみはセロトニン、恐れはコルチゾールとホルモンと感情に結び付けて考えると、それぞれの分泌障害や過剰分泌といった病態と結びつけることができるのではないでしょうか?
 

適度な運動の「適度」ってどのくらい?

昨今、「適度な運動で免疫力を高めましょう!」という文言をよく見ますが、「過度な運動は免疫力を低下させます!」と相反する意見があるのも事実です。では、どの程度運動をすればよいのでしょうか?

調べていくと、心拍数や運動強度(METSともいいます)、生活活動指数など検索するだけで無数の情報が出てきます。情報過多によって余計混乱してしまうというのが実情で、これでは余計ストレスが溜まって身体を動かすのが億劫になってしまいます。初回のコラムでもご紹介しましたが、こういうときに一番頼るのはご自身の感覚(体験)です!

自分が気持ちよいと感じる運動からスタート

身体を動かすと、アドレナリンやドーパミンといったさまざまなホルモンが身体から分泌され、「心地よい」という感情が芽生える仕組みになっています。これが過度になると「キツイ」「つらい」といった状態へ変わっていき、行き過ぎると昭和の運動部のような状態になっていきます(笑)。適度な運動とは、「キツイ」や「つらい」の状態までいかない、あくまで「心地よい」と感じる運動のことを指しています。

※今回は、辛さを乗り越えた先にある「達成感」からくる快感とは違います。心地よさがあれば、どんな運動をやっていただいてもかまいません。好きなことをして身体を動かしてください。

それでも何をやればよいか迷う方にお勧めの3つの運動

①みんなが知っているラジオ体操
国営放送でも流れているラジオ体操、夏休みの定番で誰もが一度は親しんだことのあるポピュラーな体操です。戦前にできたと思えないほど理にも適っています。ネットやテレビを見ながら元気よくやってみてください。

②外に出てリフレッシュウォーキング
季節も変わり暖かい日も増えてくる昨今、外に出て30分くらい歩くのもお勧めします。方法はお散歩より少し早めに、一定のリズムで歩くこと。終わったときに少し汗ばむ程度をめざしてください。

③今やスタンダードなヨガ
ピラティス、体幹トレ、ストレッチとさまざまな健康運動コンテンツが流行っては廃りを繰り返していますが、「ヨガ」は定着してきましたね。東洋が発生というのも日本と相性がよかったのでしょうか。騒動がおさまったら、通いやすいスタジオを見つけて行ってみてください。

●3セットやるだけで適度な運動

サポーター

長尾 樹
長尾 樹
1984年9月17日生まれ。
スポーツトレーナーとしてさまざまな競技チームと鍼灸マッサージ院で経験を積み、2014年より広尾にコンディショニングルームをオープン。
乳癌を発症してからゴルフに復帰するまでのクライアントのコンディショニングを総合的にマネジメントした経験をもつ。
資格:鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/JSPOアスレティックトレーナー

プロフィール