自分らしく

〈首都圏枝毛線巡礼〉(5)東京メトロ丸ノ内線分岐線(方南町支線)

地下鉄にもある枝毛線

今回は地下鉄の枝毛線です。「地下鉄に枝毛線?」と思う方もいるかもしれませんが、ちゃんとあるんですよ、これが。しかも2か所も。今回はそのうちの古いほう、『丸ノ内線』の枝毛線、分岐線(通称:『方南町支線』)です。

『丸ノ内線』の『中野坂上』駅は上下線のホームの間にもう1本線路が敷いてあり、そこから短い3両編成の電車が発着します。これが『方南町支線』です。

『方南町支線』ができたのは、昭和37年(1962年)。前回のオリンピックの2年前ですね。途中の『中野富士見町駅』付近から分かれる車庫への回送線を兼ねて作られました。現在では6両編成の電車が走ることもありますが、基本的には専用の3両編成の電車が『中野坂上』駅と『方南町駅』の間3.2kmを行ったり来たりしています。

開業当初は『銀座線』のお古の電車が使われ、当時最新鋭の電車が投入された丸ノ内線とはずいぶん格差があったそうです。現在の専用電車が作られた平成8年(1996年)までは冷房も付いていなかったそうですから、毎日乗る方はちょっとお気の毒でしたね。

屋根に大釜を乗せたお寺

『方南町』の駅から南へ少し歩くと、左手に浄土宗のお寺『東運寺』が見えてきます。
おや、本堂の屋根に何か乗っていますよ。大きなお釜ですね。山椒太夫に釜ゆでにされそうになった厨子王を、地蔵菩薩がお坊さんの姿になって助けたという言い伝えがあり、それにちなんだものだそうです。

お土産は『方南町駅』前の『大和や』の栗むし羊羹にしたかったのですが、取材当日はあいにくの定休日(火曜日)。ですので、今回はお土産はなしです。がっかり。

サポーター

老田道夫
老田道夫
フリーの編集/ライター。
主なフィールドはバレエ、鉄道、鉄道模型、70年代プログレッシヴ・ロック、古代史など。
近年は自費出版原稿のリライト、編集を主に手がける。好きな言葉は「棚からぼたもち」。

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